小ロット食品パッケージ印刷に必要な安全基準と素材選びのポイント
― 少量からでも「安全で、きちんとした」食品包装を選ぶために ―

近年、個人ブランドやスモールビジネス、スタートアップによる食品販売が増えています。
ECやイベント出店など、販売チャネルが多様化したことで、「まずは少量から試したい」というニーズも確実に高まっています。
一方で、食品用パウチの印刷は、下記のような理由から、50枚〜といった超小ロットでの印刷は、これまで難しい分野でした。
- 版代が高い
- ロスが出やすい
-
小ロットでは対応してもらえない
こうした課題に対し、近年はデジタル印刷技術の進化により、小ロットでも現実的な選択肢が増えてきています。
ただし、食品用途の場合、「印刷できる」こと以上に重要なのが「安全かどうか」です。
食品用パウチに印刷しても、本当に安全なのか?
食品包装材の安全性フロー
原材料
フィルム素材
積層構造
印刷(食品非接触)
試験・検査
出荷
「食品を入れる袋に印刷しても大丈夫なの?」
初めて食品を販売される方ほど、こうした不安を感じるのは自然なことだと思います。
ここでは、食品用パウチの安全性がどのように考えられているのか、その基本を整理します。
食品包装材の安全基準の基本
日本で使用される食品用の容器・包装は、食品衛生法に基づく規制対象です。
具体的には、厚生労働省告示第370号により、使用できる材質や基準が定められています。
さらに、2020年からはポジティブリスト制度が施行され、食品に接触する可能性のある材料については、使用可能な化学物質が限定される仕組みになりました。
つまり、
「どんな素材を使っているか」
「どの層が食品に触れるか」
これらが、明確に管理されている必要があります。
JFRLによる検査・評価とは?
食品包装材の安全性を第三者の立場で評価する機関のひとつが、
一般財団法人 日本食品分析センター(JFRL)です。
JFRLでは、食品接触材に対して以下のような検査が行われます。
-
材質試験(鉛・カドミウムなどの有害物質)
-
溶出試験(重金属、過マンガン酸カリウム消費量、蒸発残留物 など)
※ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)を主成分とする合成樹脂製の容器包装が対象
ここで重要なのは、食品包装材の安全性は「素材単体」ではなく、「素材+構造」で評価されるという点です。
フィルムの積層構造、食品接触層の設計、加工工程まで含めて、食品衛生法の基準に適合しているかを第三者機関が客観的に確認します。

※弊社では、実際にJFRLにて検査を実施したため、JFRLを例にさせていただきました。
印刷インキと安全性の考え方
食品用パウチに使われる印刷インキは、食品に直接触れない構造で使用するのが業界の基本です。
例えば、
-
パウチの外側への印刷
-
インキ層をフィルムで挟み込む構造
といった設計により、インキ成分の移行や剥離リスクを抑えます。

印刷方式やインキの種類だけで安全性が決まるわけではなく、
「どこに、どのように使われているか」が重要なポイントになります。
食品用パウチの素材選びで重視すべきポイント
食品用パウチ選定基準
安全性
機能性
流通性
食品を包むパウチは、見た目だけでなく、以下の要素を総合的に考える必要があります。
① 物性・機能性
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選択基準 |
理由 |
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バリア性(酸素・水分) |
酸化や品質劣化を防ぐため |
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耐熱性 |
充填後のシーリング工程に対応するため |
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機械的強度 |
輸送時の破袋・突刺し防止 |
なお、JFS-B(食品安全マネジメントシステム)では、ガスバリア性や耐突刺強度について、要求仕様を設定し、適切に管理・評価することが求められています。
当社のパウチは、レトルト用途(高温高圧殺菌)には対応していませんが、冷蔵・冷凍用途、常温保存を前提とした設計を採用しています。
② 法規制・安全基準への適合
日本国内で使用する食品包装材は、食品衛生法のポジティブリスト制度に準拠した素材であることが前提です。
すべての原材料について、下記を確認することが重要です。
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ポジティブリスト収載対象か
-
もしくは適切に管理されているか
スピードパックの素材はJFRLにて規格適合試験を受け、合格した素材です。

③ 印刷対応時の注意点
-
印刷層が食品に直接触れない構造であること
-
印刷後の乾燥・保管・加工工程でも、移行や汚染を防ぐ管理がされていること
印刷できるかどうかだけでなく、印刷後も含めた工程管理が、安全性を左右します。
JFRL合格素材を使用するメリット
安全性を「説明できる」
第三者試験機関による評価があることで、「安全です」という主観的な説明ではなく、根拠を示した説明が可能になります。
※JFRLは、ISO/IEC 17025の認定を受けた試験所を有しています。
※試験は特定条件下での評価であり、実際の使用条件に応じた設計・運用が前提となります。
EC・卸売での扱いやすさ
食品表示法や衛生基準への適合を前提に設計・評価されているため、EC販売や卸売、法人取引においても活用しやすい点が特長です。
失敗しないためのパウチ選びチェックリスト
購入前に、以下のポイントを確認してみてください。
- 食品衛生法適合試験の合格実績があるか
- 素材がポジティブリスト制度に対応しているか
- 酸素・水分に対するバリア性があるか
- 印刷層が食品に触れない構造になっているか
本記事の根拠となる情報について
本記事は、以下の公式法令および第三者機関・業界団体の公開情報をもとに構成しています。
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